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なぜウラケンは、社団ではなく財団を作ったのか?

公開日: 2023年04月17日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、設立から15年目を迎えた「不動産実務検定」についてお話しします。

僕たちが不動産実務検定を運営する団体を作ろうと思い立った時に、「なぜ一般“社団”法人ではなく、一般“財団”法人を作ったのか?」というお話です。

公益法人の設立の流れや、財団/社団の違いについても併せて解説していきますので、不動産実務検定自体に興味がない方にとっても参考になる内容だと思います。

ぜひ最後までご覧ください!

 

2008年の法律改正により、一般人でも公益法人を作れるようになった

元々、財団法人や社団法人というのは、公益的な事業を目的として設立される団体です。

しかし、一昔前の実態といえば、補助金が横流しされ、天下りの役人たちが給料をもらうための場所に成り下がっていました。

要するに、公金チューチューの温床になっていることが問題になっていたんですね。

そこで、不適切な財団/社団法人を解体する目的で、2008年12月に法律が改正されます。

具体的にいうと、一般財団法人・一般社団法人という仕組みが新たに設立され、本当に公益的な事業を目的としているクリーンな団体を、「公益財団法人・公益社団法人」として残し、その他のほとんどの団体を、「一般財団法人・一般社団法人」へ格下げにしたのです。

また、一般の人であっても、公益的な事業をするのであれば、一般財団法人・一般社団法人を作ることができるようになりました。

それまでは、一般の人が作れる公益的な法人としてはNPO法人がありました。しかし、NPO法人は雨後の筍のように飽和していて、胡散臭いものも多かったんですよね。

 

ウラケンが、あえて財団法人を設立したワケとは

2008年の制度改正では、多くの一般人が乗っかり、公益的な事業を目的として法人を設立しました。そして、当時はほとんどの人が、一般“社団”法人を選んだのです。

そして今でも、一般“財団”法人の法人格を持つ団体はほとんどいないのが実情です。

そんな中で、不動産実務検定を運営する日本不動産コミュニティー(J-REC)は、一般財団法人です。それは一体なぜでしょうか?

 

そもそも、一般社団と一般財団の違いとは?


まず、一般社団法人と一般財団法人で、一体何が違うのか?おさらいしましょう。

簡単に申し上げると、

・社団:人の集まり
・財団:財産の集まり


という違いがあります。

社団は、人が集まれば法人格を持つことができますが、財団は最低の財産を300万円拠出しないと、法人格を持つことができません

その他、税制優遇や事業内容のルールなどは全部一緒です。

社団も財団も、公益的な事業をベースにした営利事業はできるんですよね。

ですから、両者の違いはというと、「人の集まりか?財産の集まりか?」というところだけで区別されています。

そのため、多くの人が、設立コストが安い一般社団法人を作ったのは当然というわけです。

 

ウラケンがあえて財団を選択したワケ


では、なぜウラケンはあえてコストのかかる財団法人を作ったのでしょうか?

理由は2つあります。

まず1つめの理由は、他の法人との差別化を図るためです。

僕たちは法律が改正された2008年12月1日の初日に法人を作ったのですが、「みんな、お金のかからない社団法人ばかり作るだろうな」と、僕は思っていました。

そんな中、周りと同じように社団法人を作っても、存在価値が薄れてしまいます。

ですから、財団法人にしたのです。

2つめの理由は、僕の覚悟を示すためです。

300万円の拠出金は、僕のポケットマネーから出しました。

財団の拠出金というのは、株式会社とは違います。

まず、議決権は拠出金の額に応じることはありません

僕が300万円拠出したからといって、議決権を100%持つということはなく、役員としての一票しかありません。

また、株式会社のように、上場したら価値が上がることもありません

さらに、財団法人は売却することも、解散することもできませんから、僕が拠出した300万円の基金は、一生僕の財布には戻ってこないということです。

法律としては、J-RECの事業をやめる時には、

・同じような事業をしている公益財団法人に吸収合併する
・資産を国庫に帰属する


と定められています。

つまり、この300万円は僕の完全なる“覚悟”なわけです。

 

実際に15年間、覚悟を持って誠実に取り組み続けています

そんなわけで、「何かを新しく始めるには、そのくらいの覚悟を持たないとダメだろう」という熱い想いで、15年前に一般財団法人を設立しました。

ただひたすら、「不動産の知識をいつでも、どこでも、誰でも学べるようにしたい」という一点の想いで、今も運営を続けています。

世の中には、財団法人を相続税対策のために作る大富豪もいるようです。

しかし、J-RECには僕の親族は一人もいません。理事はおろか、職員にも一人もいません。

もっと言えば、理事の報酬はこの15年間、毎月わずか3万円です。

損得勘定だけで考えれば、わざわざ財団法人にする必要はないわけで、それだけ覚悟を持って、不動産実務検定という資格制度を始めたということです。

まだまだ受講生がのべ1万6千人を超えた規模の小さな団体ではありますが、想いだけで言えば、公益財団法人以上のものがあると確信しています。

これからも誠実に、不動産の実務が学べる場を作っていきたいと思っています。

もしあなたが不動産投資のノウハウを学びたいということであれば、その辺のうんこセミナーに行くのではなく、不動産実務検定を学ぶことを強くオススメします。



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