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ChatGPTを活用すれば不動産投資で成功できる?結論、今のAIの精度では成功できません。

公開日: 2023年05月01日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

2022年11月頃に初登場し、急速に世界へと広まったChatGPT。触ったことがある方も多いと思います。

そんなChatGPTですが、SNSを見ていると、「AIに投資を任せれば、すべてうまくいくのでは?」と考える人も出てきているようです。なんとも他力本願的な考え方ですよね。

さて、ここで質問です。

皆さんは、株式投資なり不動産投資なりの判断をAIに任せて、儲けることができると思いますか?

僕は、難しいと思います。なぜなら、投資というのは、勝つ人も負ける人もいて成り立つものだからです。

AIを使って投資をすれば、みんながみんな成功できる!という、そんなパラダイスはないと思っています。

とはいえ、僕も「ChatGPTなら正しい投資判断もできるかもしれない」と一瞬思ったことはありました。

そこで今回は、「ChatGPTを使って不動産投資をすると成功できるか?」という疑問の検証をしていきます。ぜひ最後までご覧ください。

 

ChatGPTに、不動産投資の質問をぶつけてみた!

ということで、不動産投資の質問をChatGPTにいくつかぶつけてみました。

今回の検証でChatGPTに投資判断を仰ぐ物件の条件は、以下の通りです。

・所在地は首都圏某市
・築40年
・RC造2DK×12戸
・販売価格9,000万円(表面利回り8%)
・地方銀行の満額融資あり(30年のフルローン、金利3%)
・土地の実勢価格は9,000万円(土地値での販売、建物がタダで付いてくる)

こちらの物件条件を提示して、「この物件への投資はどうでしょうか?」と投資判断を仰ぎました。

 

この物件に対するAIの回答


ChatGPTの回答としては、

「築40年の物件なので、メンテナンス費用がかかり、リセールにも影響が生じる」
「表面利回り8%は、一般的に魅力的とされる範囲」
「融資の金利3%はやや高めで収益性に影響するため、他の金融機関に相談するのが望ましい」

とのことでした。

 

不動産のプロ、ウラケンの解説


皆さんはこの物件条件を聞いた時に、どう思いましたか?

「フルローンが下りるなら良さそう」
「土地値で買えるから、上手くいかなくても解体して更地で売れば良い」

と思った方もいると思います。

しかし、そう思った方はまだまだ判断が甘いです。

そもそも、築40年の物件に対して30年のフルローンを組めるからといって、その投資が“良い投資”とは限りません

もしも本当にこの条件が提示されたのであれば、買主の属性は相当に良いはずです。

物件の条件が良いからフルローンが下りているのではなく、買主の属性が良いだけということをしっかり認識しておきましょう。

 

AIにキャッシュフローの計算をさせてみた

続きまして、上記の物件について更に突っ込んでみます。ChatGPTに、キャッシュフローの計算をさせてみましょう

■ウラケンの質問:
「仮に、この条件で購入して稼働率8割の場合、実質利回りは何%ですか?また、税引き前の毎月の収入はいくらですか?」

■ChatGPTの回答:
「税引き前の実質利回りは6.4%です」
(これは単純に空室率しか考慮しておらず、考え方自体が間違っていますね)

■ウラケンの質問:
「管理費と修繕費が家賃の10%かかるとして、ローンの元利金も差し引くと、実質利回りは何%ですか?また、毎月の家賃はどうなりますか?」

■ChatGPTの回答:
「実質利回りは0.73%、毎月の収入が5万4千円です」

・・・という具合です。そこで、

■ウラケンの質問:
「毎月5万円ちょっとのCFしか得られない物件であるのに、なぜ“表面利回り8%は一般的に魅力的”とあなたは答えたのですか?」

と聞いてみたところ、AIから「失礼いたしました」と謝られました(笑)

■ChatGPTの回答:
「失礼しました。8%が魅力的と答えた部分について、再評価が必要でした。元利金の返済や管理費、修繕費、税金も考慮しないといけません」

・・・という具合に、修正をはかってきたわけです。

 

AIに妥当な買い付け金額を聞いてみた

最後に、「この物件をいくらで購入できたら、魅力的な物件と言えますか?」と聞いてみました。AIの回答はこちらです。

■ChatGPTの回答:
「実質利回り5%(6,700万円)で購入できれば、魅力的になるのではないでしょうか」

とのことでした。つまり、9,000万円を6,700万円で指値してください、ということです。

 

不動産のプロ、ウラケンの解説


築40年の物件なので、出口戦略を考慮する必要もあると思います。

土地値以下で購入できるとはいえ、解体費にも結構お金がかかるものです(RC物件の解体は平気で数千万円、規模によっては億にも及んできます)。

また、物件が築50~60年になった時にいざ売りたいと思っても、耐用年数はとっくに過ぎています。

そもそも、30年という長期ローンが組めるような人は、最初からそんな物件を買いません。

そして、そんな長期ローンを簡単に組める人自体が非常に少ないですから、物件価格を相当安くしないと、買い手は現れないでしょう。つまり、出口戦略を取ることができないわけです。

このような諸事情を考慮すると、「5,000万円以下であれば、手を出しても良いのでは?」というのが僕の答えです。

 

まとめ

というわけで今回は、「ChatGPTを活用すれば、不動産投資で成功できるのか?」というテーマで解説してきました。

いくらAIに聞いてみても、2021年のインターネット上に転がっている情報しか取ってきてくれませんので、浅い回答しかできないということがお分かりいただけたと思います。

AIには適切な質問をしないと、適切な答えを得ることができません。

単に物件の情報を打ち込んで、「この物件は投資に値するかどうか?」と聞いたところで、的を射た回答にはなりませんし、そもそもその回答が間違っていることも多いわけです。

ただ、AIに質問をして回答を考えさせると、AIも進化していきます。

これから5年10年経てば、不動産投資にも使えるようになるかもしれませんが、今の段階では使えないというのが今回の結論です。

不動産投資に限らず、投資は経験やナレッジに左右されます。

リスクを極力下げて成功確率を高めるためには、経験者と繋がるのが必要不可欠、と再認識をしました。

これから不動産投資をしようと検討されている皆さんは、ぜひ参考にしてみてください!


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