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隣の木の枝が自分の敷地に越境してきた場合、それを切っても良いのか?相隣関係について詳しく解説!

公開日: 2023年05月09日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今日は、「隣の家の木が自分の敷地に越境してきた場合、勝手に切っても良いのか?」という質問に回答していこうと思います。

隣地との境界や草木の越境のことを、不動産の世界では「相隣関係(そうりんかんけい)」と言います。簡単に言えば、「お隣さんとの関係」ということですね。

今回は、この「相隣関係」について詳しく解説していきます。

お隣さんとの関係で悩まれている方にとっては非常に参考になる内容だと思いますので、ぜひ最後までご覧ください!

 

隣地との境界をどのように把握するのか?

まずは、「隣地との境界をどのように把握するのか?」について解説していきましょう。

不動産を購入する際に、「隣地との境界がどこなのかわからない・・・」というケースがよくあります。

古い建物の場合、境界を示す“杭”ですらも、「どこに埋まっているか全くわからない」ということがあります。

現在でこそ、「×」が刻印された石の杭が主流になっていますが、昔の建物では木杭を埋め込むのが主流でした。

仮に建築当時にしっかりと木杭を埋め込んでいたとしても、建物を建て替える際などに盛土をしたり、万年塀を作ったりした時に地中に埋まってしまって、「1mくらい地面を掘ってみたら、ようやく木杭が見つかった」なんてケースもあります。

しかし、杭が見つかるケースはまだマシな部類です。

もっとひどい例を挙げると、木杭の上にブロック塀を作ってしまったおかげで、木杭が欠けてしまっていた・・・なんてケースもあります

こうなるともう、隣地との境界がどこなのかよくわからない、といったことが起こります。

それでは、現地調査をした時にどうやって隣地との境界を確認したらいいのでしょうか?

一般的には現況で確認することになります。

つまり、隣地との間に塀などがあれば、塀の真ん中もしくは内側部分を境界線と認識するのが一般的です。

本来は、隣地の所有者立会いのもと実測測量をするのがベストですが、測量士・土地家屋調査士に依頼するとなると、一般的に100万円以上の費用がかかってしまいます。

したがって、実際の取引では“公簿取引”といって、登記簿に記載されている面積で取引をするケースが多いわけです。ちなみに実測測量をして取引することを実測取引といいます。

一般的に隣地との間に塀がある場合は、

・塀をお互いの費用で建てているなら、塀の真ん中
・塀を隣の人が建てたなら、塀の内側(相手から見たら外側)

を境界とみなします。

 

越境した木はどうしたら良いか

また、現地調査をした時に、「隣の木の枝が越境して、覆い被さっている・・・」ということもよくあります。

隣の木の枝が自分の敷地に越境してきたら、切ってしまっても良いのでしょうか?

実はこれまでの民法では、「切ってはいけない」ということになっていました。

さらに言うと、木の“枝”ではなく、木の“根”が内側に入ってきた場合は、その根は切っても良い、という変な法律だったのです。

 

法律が改正され越境した木を切れるようになった(2023年4月~)


しかし、2023年4月1日から民法が改正され、以下3つの要件を満たせば、隣地の木の枝を切ることができることになりました。

1.相当の期間を定めて、所有者へ「切ってくれ」とお願いしたのに、切ってくれない場合
2.所有者が誰かわからない場合
3.急迫の事情がある場合(強風が吹いて、木の枝が窓を突き破ってしまったなど)

一つ目の理由については、以前の法律との変更点です。

しかし、隣人へ「切って」とお願いしたのに切ってもらえない・・・これはかなり近隣関係が拗れているケースと言えるでしょう。

 

相隣関係には注意せよ!不動産の価値は、隣地との関係性も含めての価値です

また、土地を購入して新築する場合、隣の人が偏屈なケースは結構あります

ちなみに、僕も30年間の業界経験の中で、4~5人の偏屈おじさんと出会ってきました。

偏屈なおじさんは、大体、

「誰がこの工事を許可した?」
「俺は許可していないぞ!」
「この道路は通るな!」

などと、いきなり言ってくるのが特徴です。

前面道路が私道でお互いに持ち分があるならまだしも、私道ではないのに「この道路は通るな!」なんて言ってくる変なおじさんもいます。

役所にいきなり電話をかけてクレームを言ったり、「俺は市長と仲が良いから」と脅してきたり、やることなすこと気に食わずに妨害してくるので、非常に苦労した経験があります。

ちなみに、この手の人たちはヤクザとは少し違って、ただ単純に変なだけです。ヤクザは、軍手を3万円で買え、などと言ってきます(笑)。

不動産は、隣地を含めた周辺環境にも価値があります。

近隣に変な人がいた場合、その不動産の価値が下がってしまうケースもありますので、購入を検討している不動産の周辺に変な人がいないかどうか、事前に必ずチェックしておきましょう

やり方としては、なんらかの営業マンを装って突撃訪問して、近隣の人となりをチェックしたり、考えれば色々と方法は見つかると思います。

特に、更地を購入して建物を新築する場合は、周辺に偏屈な人がいると工事を妨害されたりすることがあるので、要注意です。

これから不動産投資をしようと検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。


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