ブログ
RC築40年、利回り8%、売値は土地値以下、フルローン可の物件は買いか?
公開日: 2023年05月16日
▼今日の記事を音声で楽しみたい方はこちら
こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今回は、ケーススタディーをしてみたいと思います。
僕は日頃、不動産投資の相談を受けることがとても多いのですが、最近は特に初心者からの質問が多いです。
最近、このような質問がありました。
「RC造、築40年、利回り8%、売値は土地値以下、フルローン可の物件は買いでしょうか?」
という質問です。
もっと詳しくいうと、この物件は規模が非常に大きく、物件価格は2億円近くにもなります。
ただ、「売値が土地値以下」ということから、「仮にうまくいかなくとも、土地値で売ることができれば良い物件なのでは?」とのことでした。
さて、一見よさげな物件に思えますが、あなたどうお考えになりますか?
今回は具体的に、ケーススタディーをしながら一緒に考えてみましょう。
これから不動産投資を始めようとしている方にとっては非常に参考になる内容だと思います。ぜひ最後までご覧ください!
条件を1つ1つ精査してみよう
それでは、この物件の諸条件を1つ1つ精査していきましょう。
「築40年、フルローン可」→投資家が陥りやすい罠に注意せよ
まず、多くの投資家が陥りやすい勘違いについて解説します。
それは、
「フルローンが出るなら、これは良い物件に違いない!」
「フルローンが出るなんて、自分は投資家として銀行に認められているんだ!」
という勘違いです。
そう、フルローン可というのは、「罠」であることが多いんです。
そもそも冷静に考えてみれば、築40年の物件にも関わらずフルローンが出るというのは怪しいと思いませんか?
RCの法定耐用年数は47年なので、築40年の物件というのは、法定耐用年数が7年しか残っていないわけです。
売値が土地値以下だといっても、普通の銀行では満額融資はおろか、融資の対象にすらならない物件と区別されます。
(ちなみに、みなさんご存知の某S銀行であれば融資を出すかもしれません。それでも、金利はめちゃくちゃ高くなるでしょうね。)
では、銀行は何をみてフルローンを出すかというと、投資家の属性・年収などをチェックして、「仮に家賃が滞ったとしても、この人なら返済ができるだろう」という判断をして融資をしています。
しかし、我々は銀行員ではなく不動産投資家です。
自分の属性や年収でどれくらいのローンを引けるかということよりも、目の前の物件のポテンシャルを見極めるべきなのです。
でないと、あとあと苦労することになります。
以上をまとめると、フルローンが出るからと言って、必ずしもその物件が買いとは限らないということです。
築40年でフルローン可の物件に関しては、いくら土地値以下で購入できるといっても、投資にはかなり慎重になった方が良いでしょう。
ということで、フルローンの罠について詳しく解説してきました。ここからは物件の条件について1つ1つみていきましょう。
「築40年、RC造」→出口戦略を考えよ
次に皆さんが考えるべきは、「出口戦略」です。
例えば、皆さんが「築40年、RC造」のこの物件を購入したとして、15年後に売却するとしましょう。
売却時には、この物件は築55年になっています。RCの法定耐用年数は47年ですから、売却時にはその年数をはるかに過ぎていることになります。
つまり、売却時、この物件に融資をする銀行はありません。
現金で購入する人以外に売却することはできず、出口が狭まってしまうことになりそうです。
ここまでお話しすると、「売れないのなら解体して売れば良いのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょうが、それもなかなかうまくいかないと思います。
なぜなら、RCの解体費はめちゃくちゃ高いからです。
仮に高額な費用を支払って解体できたとしても、残った土地はどうするのでしょうか?
大きな土地であれば建売業者へ売却することが想定されますが、立地がイマイチであればかなりの安い金額で買い叩かれてしまうのがオチです。
「表面利回り8%」→キャッシュフローは出るか
最後に、「表面利回り8%」という条件についてはどうでしょうか?
今回はフルローンを想定していますが、その金利は3%近くだと想定されます。
その場合、キャッシュフローは恐らくほとんど出ないでしょう。
毎月の家賃収入から、管理費、固定資産税、借入金の元利返済・・・と、かかる経費をすべて差し引いていくと、手元にはほとんどお金が残らないと思います。
さらに、RCの物件は40年を経過しても固定資産税が高く、建物や設備の改修・修繕費も毎年想像以上にかかってきます。
実際にこの物件に似た物件を表面利回り10%で購入しているスタッフがうちにいるのですが、それでも「ほとんどキャッシュは残らない・・・」とボヤいています。
ウラケンの結論。この物件を買って良い人はズバリ・・・
以上、こうして考えてみると、
「RC築40年、利回り8%、売値は土地値以下、フルローン可の物件は買いか?」
という質問に対する僕の回答は、
利回り15%以上を確保できなければ、絶対に買わない方が良いというのが結論になります。
それ以下の利回りで購入した場合は、
・修繕費がかさむ
・売りたくても、売るに売れない
・キャッシュフローが出ない
などなど、にっちもさっちもいかない可能性が高くなると思います。
ただし、それでもこの物件を購入しても良い人はいます。
例えば、相続対策として今すぐ現金を不動産に変えたい人などはこの物件を購入しても良いでしょう。
逆に言えば、現金で購入できる人以外は絶対に購入しない方が良いということです。
こういう物件をフルローンで購入してしまうと、キャッシュフローが出ないどころか、将来的に売るに売れない物件になってしまう可能性が大です。
これから不動産投資を始めようと考えられている方は、ぜひ気をつけてくださいね!
▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら
こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今回は、ケーススタディーをしてみたいと思います。
僕は日頃、不動産投資の相談を受けることがとても多いのですが、最近は特に初心者からの質問が多いです。
最近、このような質問がありました。
「RC造、築40年、利回り8%、売値は土地値以下、フルローン可の物件は買いでしょうか?」
という質問です。
もっと詳しくいうと、この物件は規模が非常に大きく、物件価格は2億円近くにもなります。
ただ、「売値が土地値以下」ということから、「仮にうまくいかなくとも、土地値で売ることができれば良い物件なのでは?」とのことでした。
さて、一見よさげな物件に思えますが、あなたどうお考えになりますか?
今回は具体的に、ケーススタディーをしながら一緒に考えてみましょう。
これから不動産投資を始めようとしている方にとっては非常に参考になる内容だと思います。ぜひ最後までご覧ください!
条件を1つ1つ精査してみよう
それでは、この物件の諸条件を1つ1つ精査していきましょう。「築40年、フルローン可」→投資家が陥りやすい罠に注意せよ
まず、多くの投資家が陥りやすい勘違いについて解説します。
それは、
「フルローンが出るなら、これは良い物件に違いない!」
「フルローンが出るなんて、自分は投資家として銀行に認められているんだ!」
という勘違いです。
そう、フルローン可というのは、「罠」であることが多いんです。
そもそも冷静に考えてみれば、築40年の物件にも関わらずフルローンが出るというのは怪しいと思いませんか?
RCの法定耐用年数は47年なので、築40年の物件というのは、法定耐用年数が7年しか残っていないわけです。
売値が土地値以下だといっても、普通の銀行では満額融資はおろか、融資の対象にすらならない物件と区別されます。
(ちなみに、みなさんご存知の某S銀行であれば融資を出すかもしれません。それでも、金利はめちゃくちゃ高くなるでしょうね。)
では、銀行は何をみてフルローンを出すかというと、投資家の属性・年収などをチェックして、「仮に家賃が滞ったとしても、この人なら返済ができるだろう」という判断をして融資をしています。
しかし、我々は銀行員ではなく不動産投資家です。
自分の属性や年収でどれくらいのローンを引けるかということよりも、目の前の物件のポテンシャルを見極めるべきなのです。
でないと、あとあと苦労することになります。
以上をまとめると、フルローンが出るからと言って、必ずしもその物件が買いとは限らないということです。
築40年でフルローン可の物件に関しては、いくら土地値以下で購入できるといっても、投資にはかなり慎重になった方が良いでしょう。
ということで、フルローンの罠について詳しく解説してきました。ここからは物件の条件について1つ1つみていきましょう。
「築40年、RC造」→出口戦略を考えよ
次に皆さんが考えるべきは、「出口戦略」です。
例えば、皆さんが「築40年、RC造」のこの物件を購入したとして、15年後に売却するとしましょう。
売却時には、この物件は築55年になっています。RCの法定耐用年数は47年ですから、売却時にはその年数をはるかに過ぎていることになります。
つまり、売却時、この物件に融資をする銀行はありません。
現金で購入する人以外に売却することはできず、出口が狭まってしまうことになりそうです。
ここまでお話しすると、「売れないのなら解体して売れば良いのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょうが、それもなかなかうまくいかないと思います。
なぜなら、RCの解体費はめちゃくちゃ高いからです。
仮に高額な費用を支払って解体できたとしても、残った土地はどうするのでしょうか?
大きな土地であれば建売業者へ売却することが想定されますが、立地がイマイチであればかなりの安い金額で買い叩かれてしまうのがオチです。
「表面利回り8%」→キャッシュフローは出るか
最後に、「表面利回り8%」という条件についてはどうでしょうか?
今回はフルローンを想定していますが、その金利は3%近くだと想定されます。
その場合、キャッシュフローは恐らくほとんど出ないでしょう。
毎月の家賃収入から、管理費、固定資産税、借入金の元利返済・・・と、かかる経費をすべて差し引いていくと、手元にはほとんどお金が残らないと思います。
さらに、RCの物件は40年を経過しても固定資産税が高く、建物や設備の改修・修繕費も毎年想像以上にかかってきます。
実際にこの物件に似た物件を表面利回り10%で購入しているスタッフがうちにいるのですが、それでも「ほとんどキャッシュは残らない・・・」とボヤいています。
ウラケンの結論。この物件を買って良い人はズバリ・・・
以上、こうして考えてみると、「RC築40年、利回り8%、売値は土地値以下、フルローン可の物件は買いか?」
という質問に対する僕の回答は、
利回り15%以上を確保できなければ、絶対に買わない方が良いというのが結論になります。
それ以下の利回りで購入した場合は、
・修繕費がかさむ
・売りたくても、売るに売れない
・キャッシュフローが出ない
などなど、にっちもさっちもいかない可能性が高くなると思います。
ただし、それでもこの物件を購入しても良い人はいます。
例えば、相続対策として今すぐ現金を不動産に変えたい人などはこの物件を購入しても良いでしょう。
逆に言えば、現金で購入できる人以外は絶対に購入しない方が良いということです。
こういう物件をフルローンで購入してしまうと、キャッシュフローが出ないどころか、将来的に売るに売れない物件になってしまう可能性が大です。
これから不動産投資を始めようと考えられている方は、ぜひ気をつけてくださいね!
▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら
