ブログ

プロパンガスの料金が高い本当の理由。LPガス業者と大家さんの蜜月関係はほどほどにしましょう

公開日: 2023年05月27日

▼今日の記事を音声で楽しみたい方はこちら


こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

今回は、プロパンガスと不動産投資の関係についてお話ししていきます。

皆さんが日々使用しているガスは、都市ガスでしょうか?プロパンガスでしょうか?

プロパンガスは「LPガス」と書かれている大きなガスボンベから供給されるガスのことで、都市ガスはガス管からそのまま供給されるものを言います。

今日はこの中でも、プロパンガスについて詳しく見ていきたいと思います。

題して、「プロパンガスの料金が高い本当の理由。LPガス業者と大家さんの蜜月関係はほどほどにしましょう」です。

不動産投資家だけでなく、一般の方にとっても非常に参考になる内容だと思います。ぜひ最後までご覧ください!

 

まずはプロパンガスと都市ガスのメリット・デメリットをそれぞれおさらい

まずは、プロパンガスと都市ガスのメリット・デメリットをそれぞれおさらいしておきましょう。わかりやすく図に示すと、以下の通りです。
 
  プロパンガス(LPガス) 都市ガス
メリット   •インフラが整っていない田舎でもガス供給ができる
•災害が起きた時でも、ガスの残量があればそのまま使用することができるため、復旧が早い
•地中のガス管に繋ぐだけなので、ガスボンベを設置するスペースが不要
•LPガスよりも値段が安い
デメリット   •配送コストがかかり、都市ガスよりも料金が高い •供給地域が限られている
•災害の際は復旧に時間がかかり、ライフラインの確保が難しい

 

大家さんに人気のLPガス。ガス業者にもメリットはあるが、実は最も割を食っているのは入居者であるという事実・・・

さて、基本を押さえた上で、本題はここからです。

 

LPガスが不動産投資家に人気のワケ


もしあなたが不動産投資家だとしたら、都市ガスとLPガス、果たしてどちらを選ぶでしょうか?

一般的には、設置に手間取ることもなく、料金も安いからという理由で、都市ガスを選ぶ方が多いと思います。

しかし、実を言うと、不動産投資家に好まれているのはLPガスなんですよね。

一体なぜなのでしょうか?

それは、LPガス業者の方が、不動産投資家にとってありがたい付帯サービスを提供してくれるからです。

例えばアパートを新築する際は、LPガス業者さんが宅内の配管工事を無償で施工してくれたり、条件によってはエアコンや給湯器も無償で取り付けたりしてくれる場合があります。

中古住宅の場合でも、リフォームが必要であれば浴槽のリフォームを無償で行ってくれたり、中にはガスとは全く関係のないインターホンの入れ替えや、Wi-Fiまでもを無料で設置してくれたりすれるLPガス業者さんもいます。

このように、LPガス業者さんは不動産投資家にとってありがたい付帯サービスを提供しているため、大家さん方に重宝されているというわけです。

中には、元々は都市ガスの物件なのに、あえてLPガスに切り替える大家さんもいるほどです。

 

LP業者にとっては、サービスを無償提供せざるを得ない


もちろん、LP業者にとっても顧客獲得のメリットがあるからこそ、無償でサービスを提供しているんですよね。

また、ガス業者は大家さんから相見積もりを取られ、常に競合サービスと天秤にかけられています。

大家さんが中古でアパートを購入した時は、複数のガス業者に条件を出させて、今のガス業者をそっくり変えることさえあります。

つまり、ガス業者が設備の無償提供を断ると、契約を打ち切られかねないのです。

結局、LPガス業者の多くは、大家さんの要求を受け入れざるを得ない弱い立場にあるのです。

 

入居者にとっては要注意なLPガス


このように、LPガス業者は設備を無償で提供してくれるわけですが、無償で設備を提供した分のサービスは、どこかで回収しないといけません

さて、LPガス業者はどこで帳尻を合わせているかというと、付帯サービスの提供分をガス料金に上乗せしているんですよね。

つまり、負担を強いられているのは実際にガスを使用する入居者なのです。

では、LPガスと都市ガスでは、どのくらいの料金の差があるのでしょうか?札幌の事例を見てみましょう。

<札幌、20平米のワンルーム>
・都市ガス:5,000円前後
・LPガス:12,000円前後

いかがでしょうか?

暖房費がかかる札幌の事例ですので、もちろん極端な例ではありますが、ざっくり見積もっても、LPガスは都市ガスの2倍以上の費用がかかると言っても過言ではないでしょう。

 

LPガス業者と不動産投資家との蜜月関係はほどほどに・・・

このように、プロパンガスの設置は大家さんにとってもLPガス業者にとってもお互いにメリットが大きいのです。

だからこそ、LPガス業者は無償で様々なサービスを提供してくれるという慣例があります。

しかし、各LPガス業者は、無償サービスの負担分をガス料金に転嫁するのをほどほどにしないと、自分たちの首を絞めかねません

事実、先ほどの札幌の事例では、LPガスの料金が都市ガスの2倍以上となっていました。

都市ガスとLPガスでここまでの料金の差があるわけですから、札幌で部屋を探している人は「LPガスのアパートは避ける」という傾向にもなっています。

本州でも、ガス料金の負担が大きすぎるために、短期間で退去されたり、空室になった時に次の入居者が決まりにくいという話もあります。

入居者が定着しなければ、LPガス業者も困ってしまいますよね。いくらなんでも、空室にはガスを供給できませんから。

つまり、大家さんもガス業者も、やりすぎれば結局自分たちにその報いが跳ね返ってきてしまうのです。

だからこそ、LPガス業者と不動産投資家との蜜月関係はほどほどにしましょう・・・というわけです。

 

まとめ

というわけで今回は、「プロパンガスの料金が高い本当の理由。LPガス業者と大家さんの蜜月関係はほどほどにしましょう」というテーマで解説しました。

実際、大家さんとLPガス業者の蜜月関係は経済産業省も問題視しています。

今後は「ガス料金と設備費用を明確にし、設備費用をガス料金に上乗せさせないような指導を始める」という情報も僕のところに入ってきているくらいです。

賃貸経営の成功の秘訣は、「お客さんに長く住んでもらう」ということに他なりません。

目先の利益を追い求めて入居者から搾取しても、その報いは自分に跳ね返ってくるだけです。

ですから、LPガス業者と大家さんの蜜月関係はほどほどにしておきましょう。ぜひ参考にしてみてください!


▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら