ブログ

区分の近隣トラブルを解決する方法

公開日: 2023年06月02日

こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

最近は、分譲マンションのベランダで喫煙する人、いわゆるホタル族の煙が臭いと、上層階の住民からのクレームになるケースなども増えているようです。

この他にも、隣や上層階の生活音がうるさい、夜な夜な大騒ぎして迷惑だ、など特に共同住宅の場合には、この手のトラブルが絶えません。

賃貸住宅でも隣の入居者がうるさいというクレームは日常茶飯事。

過去には、隣の人がベランダでおしっこをしていて臭いがひどい、というような相談もありました。

賃貸住宅であれば、迷惑行為を正当事由に賃貸借契約を解除して、退去してもらえばいいでしょう。

居座られる場合は、立ち退き訴訟など判決を取る必要があるので少々面倒ですが、解決方法はなくはありません。

しかし、分譲区分マンションを買って、自ら住んだり、貸したりしている場合は、かなり厄介ですね。

近隣住民から迷惑行為をされれば、最悪、賃借人なら出ていってしまいますし、自ら住んでいれば、クレームをした途端に、さらに迷惑な行為を増長させかねません。

最近は、中古区分マンションを全く見ないで購入する投資家もいますが、やはり事前に調査はすべきでしょう。

しかし近隣トラブルを事前に把握するのは難しい。

管理組合などで事前にある程度調査することはできるでしょうが、それでも近隣トラブルを未然に防ぐための特効薬は思い当たりません。

 

警察は民事不介入

では、このようなトラブルはどうしたらいいのでしょうか?

警察に相談すればいいじゃん。と思うかもしれませんが、あまりあてにはできません。

警察は民事不介入なので、相談には乗ってくれるでしょうが、具体的な危害を加えられたりしなければ取り締まることができないのです。

絶対やってはいけないのは、ケンカ越しでいきなり相手の家に怒鳴り込むこと。

こうすると、相手はかまえてしまいますし、逆恨みされて迷惑行為を助長させてしまう恐れがあります。

したがって、まずは、クレーム当事者が自分と特定されないよう管理会社や管理組合に相談して、間接的に伝えるのがいいでしょう。

昔、奈良県の住宅街で、布団を叩く音で近隣に嫌がらせをしていた「騒音おばさん」がいましたが、あそこまでエスカレートされると、もう手に負えなくなってしまいます。

 

近隣トラブルを法的に解決する方法

では、こういった区分マンションのトラブルを法的に解決する手段はないのでしょうか?

実は、区分所有建物では、区分所有法第57条~第60条の中で、迷惑行為を働く住民に対する法的な対応法について、規定されています。

 

・区分所有法第57条行為の停止


例えば、毎晩、酒盛りをやっていてうるさい、あるいは、夫婦ゲンカでうるさいなど、こういった迷惑行為を停止させるための規定です。

この規定には「裁判による」方法と「裁判によらない」方法と2つの方法があります。

「裁判による」方法は、管理組合の1/2の決議をもって、裁判で「行為の停止」請求を申し立てることで、法的に「行為の停止」を通告することができます。

一方、「裁判によらない」方法は、いつでも「行為の停止」を通告することができます。

しかし、いずれの方法も、「迷惑行為をやめてくれ」と単なる通告をするだけのものなので、なんら法的な罰則はありません

したがって、通告でトラブルが解消しなければ、次の「使用禁止」の訴えを起こすことになります。

 

・区分所有法第58条使用禁止


次に、迷惑行為を起こす住民(所有者)に対して、その部屋を法的に使用禁止させるための法的手段がこれです。

管理組合の3/4の決議をもって裁判をおこし判決を取れば、その部屋の使用を禁止させることができます。

しかし、それでも迷惑行為をやめない場合には、次の「競売」という手段を使うことになります。

 

・区分所有法第59条競売


他人の物件を競売にかけることができる、というのは驚きですが、管理組合の3/4の決議をもって裁判をおこし、判決を取れば、その部屋を競売にかけ第三者に売却し、迷惑所有者を、法的にその部屋から追い出すことができてしまうのです。

とはいえ、これは最終手段ですので、競売訴訟を起こすまえに、この法的な権利があることを盾にして交渉すれば、迷惑行為をやめてもらうことができる可能性もあるでしょう。

 

・区分所有法第60条引き渡し


次に、そこを借りて住んでいる入居者(占有者)が迷惑行為をはたらいているケースではどうなるのでしょうか?

この場合も、管理組合の3/4の決議をもって裁判をおこし、判決をとれば迷惑入居者を追い出すことができます

しかし、この場合は、物件を貸しているオーナーがいますので、まずはそのオーナーに入居者に注意をしてもらう、または、入居者に出ていってもらうよう働きかけてもらうのが一般的な流れになるでしょう。

それでも、迷惑行為がなくならない場合には、裁判によって引き渡しを求めるということになります。

このように、区分所有建物の場合には、法律手続きに従ってトラブルを解決する方法がありますが、戸建てには区分のような法的な解決方法はありません。

購入した後に騒音おばさんのような人の存在がわかったら、泣くに泣けませんので、購入する前によく近隣調査をすることが大切です。

中古区分ワンルームについても物件を見ずに買った、という人が少なくないですが、購入後に騒音や迷惑行為が発覚すれば、その後泥沼になる恐れもありますから、管理組合などへ事前にヒアリングするなど、できることはやっておくに越したことはありません。

やはり不動産は、必ず自分の目で見て、調査して買うのが基本です。忘れないようにしてください。


▼ウラケンに質問できるオンラインサロンはこちら