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入園料1万円は高すぎる?東京ディズニーランドの価格戦略について解説!

公開日: 2023年07月15日

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こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

昨今、インフレで色々なものが値上がりして困ってしまいますよね。

そして、その中でも一際目立っているのが、TDR(東京ディズニーリゾート)のチケット料金です

なんと!2023年10月から、チケット料金が10,900円に値上げされるそうです

この値上げに対し、ネット上では

「いくらなんでも高すぎる!」
「そもそも混みすぎなんだから、もっと安くしろ!」

という意見が散見され、炎上してしまっているようです。

かくいう僕はというと、そもそも人が多いところが苦手なので、ディズニーには15年前に行ったきりです。

そのため、ディズニーの入場料がいくらになろうと僕にとっては全く関係ありません。

とはいえ、ディズニーの価格戦略については面白いと思っているので、今日はその点について詳しく解説していこうと思います。

マーケティング論についてもお話ししていきますので、ビジネスマンにとっても非常に参考になる内容だと思います。ぜひ最後までご覧ください!

 

ディズニーのパスポートは、なぜ値上げされているのか?

ディズニーのパスポートはなぜこんなにも値上げされているのでしょうか?まずはこの理由から考えていきましょう。

冒頭で、ディズニーへの入園料が10,900円に値上げされるとお話ししました。

ただ、これは最高額が10,900円という意味であり、日によっては8,900円で入場できる日もあるなど、幅をもたせています。

また、日本ではこの値上げについて「高い高い」と言われていますが、世界的にみれば一番安いのです。

例えば、フロリダの「マジックキングダム」は、入園料がなんと189ドル=日本円で26,000円です。日本人からすれば、目が飛び出そうな価格ですよね。

そんな中、ディズニーが今回の値上げに踏み切った理由としては、以下の3つが考えられると思います。

 

1.本家ディズニーにライセンス料を支払う必要があるため


これまでディズニーは段階的にチケットの値上げをしていましたが、2014年からは頻繁に値上げがされるようになりました。

また、2019年には7,500円だったチケットが、2020年には8,200円、2021年には9,400円と大幅に値上げされています。

これは、明らかに円安の影響です。

値上げをしないと、本社に支払うライセンス料が維持できないんですよね。

 

2.新規投資をするため


もう1つは、新しいアトラクションへの投資のためです。

TDS(東京ディズニーシー)には今度「ファンタジースプリングス」というエリアができるそうです。

常にアトラクションを開発して、ゲストを飽きさせないようにしているんですよね。その資金確保のために、値上げが必要なわけです。

 

3.混雑を緩和させ、利益を最大化するため


最後に、これは僕の見立てですが、「値上げされたパスポート料金を支払えるVIPにのみ来場してもらい、混雑を緩和させ、利益を最大化する」という、VIP戦略を取っているという理由もあると思います。

というのも、昨今のディズニーはめちゃくちゃ混んでいるらしいです。

昔も、ビッグサンダーマウンテンに乗るのに90分待ちというのがありましたが、今はそれ以上待つこともあるらしいですね。

そのため、「価格を上げて、VIPにのみ来場してもらうことで、混雑を緩和する」という狙いがあると僕は思っています。

値上げによって来場できなくなった人に対しては、

・月額980円のDisneyチャンネル
・お台場や地方のモールに存在するDisneyの公式ショップ

・・・等々でフォローできる仕組みがあります。

つまり、極端なことをいうと、今回のパスポート料金は

「値上げされたパスポート料金を支払える人にのみ来場してもらうことで、混雑を緩和して利益を最大化する価格設定」

ということです。

 

価格戦略は4つの価格帯で考える

以上、ディズニーの価格戦略について詳しく見てきたところで、マーケティングの基本についてもおさらいしておきましょう。

マーケティングとしては、以下の4つの価格帯を考えることが基本中の基本です。

ディズニーも、パスポート価格を決定する過程ではこの4つの価格帯を押さえていると思います。

 

1.安すぎて買わない価格帯


1つ目は、安すぎて買わない価格帯です。

例えば、もしもコンビニのおにぎりが10円で売っていたとしたら、「賞味期限が1週間くらい切れてそう・・・」と、逆に不安になりますよね。

品質に問題があるのではないか?と疑われてしまうのが、この価格帯です。

 

2.つい衝動買いしてしまう価格帯


次は、「お、これは安い!」と思わせる価格帯です。

例えば、普段は120円のおにぎりが、100円や99円で売っていたら、思わず買ってしまいますよね。これが、つい衝動買いしてしまう価格帯です。

 

3.高いけど、ギリギリ手の届く価格帯


3つ目は「ちょっと高いけど、この内容にしては安い!」と思わせる価格帯です。

例えば、おにぎりが1つ300円でも、中に入っている具材が「時鮭(トキシラズ)」のシャケだったら、何人かは買いますよね。これが、高いけれどギリギリ手の届く価格帯です。

 

4.高すぎて買わない価格帯


最後は、高すぎて買わない価格帯です。

例えば、おにぎりの具材にキャビアが入っていたとしても、おにぎり1個に3,000円を出す人はほとんどいないでしょう。

内容からすると妥当なのかもしれませんが、そもそもの料金が高すぎる価格帯ということです。

 

ビジネスでは、4つの価格帯をうまく使い分けることが大切

では、4つの価格帯のなかで、最も数が売れるのは、どれでしょうか?

正解は、「2.衝動買い価格」です。

ただ、この価格で販売しても、利益は出ません

そのため、この価格帯に設定する商品というのは、

「自分のところの商品をまず知ってもらう」
「購入者のアカウントをたくさん集めたい」


という際に使うのが正しいマーケティングです。

では、一番利益が出るのは、どの価格帯でしょうか?

正解は、「3.高いけど、ギリギリ手の届く価格帯」です

これは、数は売れなくても、利益を最大化する価格です。利益を最大化し、売る個数が少ないので、経営効率が良いんですよね。

例えば、テーマパークであれば、「入場料が高くなっても、アトラクションに並ぶストレスから解放され、むしろ満足度が上がる」というのが、運営側の目指しているところだと思います

ただ、ディズニーは夢を売っているわけですから、極端なVIP戦略を取っているわけではないとは思いますが・・・。

 

まとめ

というわけで今回は、「入園料1万円は高すぎる?東京ディズニーランドの価格戦略について解説!」というテーマで解説をしてまいりました。

成功している企業のマーケティング戦略を分析するのは、非常に勉強になると思います。ぜひ参考にしてみてください!


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