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タリーズに学ぶ満室経営(後編)
公開日: 2023年05月05日
こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。
今回は、前編に続いてタリーズコーヒーの創業者である松田公太さんの講演で聞いた話の後編です。
やれることは全部やる
無事、資金調達ができ、1号店をオープンしましたが、実は、まったく順調ではありませんでした。
オープンしたもののお客はまばら…。
立地は文句なしですが、間口が2間(約3.6m)ほどしか無く、客席は地下一階にあり、お客が入っている様子が外からは全くわからない構造になっていたからです。
もし、あなたが客だったとしたら、どんなカフェに入りたいですか?
ガラガラすぎるカフェは意外と入りづらいですよね。実際には、適度に混んでいるお店の方が、何となく人気がありそうで、安心して入りやすいのではないでしょうか?
その点、タリーズの1号店は、1階がレジのみで客席が地下にあるため、混み具合が全くわからない状態だったのです。
結果、オープン初月は採算ラインを大きく下回る400万円しか売り上げられなかったそうです。これでは借金返済はおろか人件費の捻出もままなりません。
「これはまずい!」松田さんは考えました。
まず店の前で毎日チラシ配りを行いつつ、店舗への誘導をしていきました。
さらに、違法でしたが店の前の歩道にテーブルを置き、そこに従業員を休憩の度にサクラとして順番に座らせ、「ここのコーヒー美味しぃ~」と通行人に聞こえるようにいわせていたそうです。(笑)
警察官に注意されるとテーブルを引っ込め、ほとぼりがさめると、またテーブルを出して、サクラを演出していきました。
次に、遠くからも店舗が目立つよう、店前にはユラユラ揺れる看板をつけたそうです。
その効果があって、一瞬立ち止まってその看板を見る人が増えていきました。
さらに、松田さんは、自らサクラとなって銀座界隈を徘徊します。
アメリカのタリーズでは、ドリンクをテイクアウトして飲みながら街を歩くのが一般的でした。
しかし、当時の日本では、ドリンクを持って街を歩くというスタイルは定着していません。
そこで、松田さんは、白やピンクだったストローの色を「緑」にして目立つようにしました。
仲間からは「気持ち悪い」「どぎつい」と不評だったといいますが、これが大当たり。緑のストローをドリンクに差して銀座の歩行者天国を歩くと、かなり効果があり、目立ったそうです。
今では、スターバックスも緑のストローを使っていますね。
緑のストローを流行らせたのは、実は松田さんのタリーズだったのです。まさに「打つ手は無限」です。
このような、地道でかつゲリラ的なプロモーションが功を奏し、半年後、店の売上げは700万円になり、採算ベースを上回るようになっていきました。
いかがでしょうか?松田さんのように、可能性のあることは何でも試してみる、ということはとても大切です。
空室対策も同じ。
「この方法は効果がないよ」と実行する前からあきらめていませんか?空室で困っている大家さんは、いままで見聞きした空室対策法を全部試してみましたか?
結果が出ない人の特徴は、行動量が圧倒的に少ないこと。「できることは全部やる!」これが成功の秘訣です。
~タリーズの教えその5~
できることは全部やってみる!
できた状況を思い浮かべつつ、ほくそ笑む
こうしてタリーズ1号店は軌道に乗り出しました。
軌道に乗ってしばらく経ち、いよいよ2号店を出すことになります。
銀座1号店は地下の客席で苦労したため、今度は外から客席が見える店舗を探します。
しばらく探すと、オフィス街の物件がでてきました。
オフィス街は、平日昼間、そして土日の人通りが極端に少ない立地。うまくいくかどうかはわかりません。
しかし松田さんは、ビジネスマンが多い立地であれば、スペシャリティーコーヒーは必ず売れるだろうと考え、出店に踏み切ることにしました。
2号店は1、2階が店舗で、通りから見える2階に客席があります。場所は神谷町でした。
結果、これまたバカ当たり。いきなり月1000万円を超える売上げをたたき出すことになるのです。
この立地は外資系企業が多く、スペシャリティーコーヒーになじみのある外国人ビジネスマンが殺到したのでした。
しかし、1つ誤算がありました。
それは2階の客席が常にガラガラだったこと。なぜなら、8割のお客様がテイクアウトだったからです。
ここで松田さんはピンときます。「オフィス街はテイクアウトの需要がある」と。
しかし、新規出店には多額のコストがかかります。同じ時期に、サザビーが資本を入れて日本上陸を果たしたスターバックスも、急速な店舗展開を仕掛けていましたが、ベンチャーなタリーズは、彼らのような大資本に対抗できるほどの体力はありません。
では、そんなスターバックスに勝つためにはどうしたらいいか?
「オフィス街」に出店し、「イニシャルコスト」をかけず、「ランニングコスト」もかけなければ、スターバックスに勝てるかもしれない・・・。しかし、そんなことはできるのか?
松田さんは必死に考えた末、あることを思いつきます。
「オフィス1階のロビースペースを少し間借りできないか?」と。いわゆる軒先ビジネスです。
一般的な大企業のオフィスのロビーは、ただ広いだけで、非常に非効率な使われ方をしていますね。その一角を間借りしてテイクアウト専門にすれば、イニシャルコストもランニングコストもかけずに、一気に店舗展開ができます。
松田さんは、アメリカで、オフィスのロビーにコーヒースタンドなどがあるのは一般的だということを知っていたので、これを日本でも展開できるのでは?と考えたわけです。
早速、当時、資本関係になっていた三井物産の本社に出店交渉をします。
ところが、「オフィスで無料のコーヒーが飲めるのに、300円以上もするコーヒーなど売れるはずがない!」と役員会では大反対だったそうです。
しかし、当時の松田さんが懇意にしていた常務が「自分が全責任を負う」という一言で役員会の反対を押しきり、1階ロビーへの出店が許可されることになりました。
さて、出店されるや否や、このテイクアウト専門店が大当たり。昼時になると社員の長蛇の列ができたといいます。
その後、タリーズは、大手自動車メーカーの本社、大学、病院、役所などの軒先にも次々に出店。オフィスロビーへの出店が勢いにのり、急成長していくことになったのです。
~タリーズの教えその6~
「もし、~としたら」とできた状況を思い浮かべつつ、ほくそ笑む!
顧客のニーズに合わせるのではなく、潜在ニーズを掘り起こす!
「お客は本当に欲しいものをわかっていない」
誰がいっていたか忘れましたが、こんな言葉があります。
実は、顧客は自分が欲しい物をわかっていないのです。顧客のニーズに合わせるのではなく、顧客の潜在ニーズを掘り起こす事こそが、圧倒的な競争力を持つための秘訣です。
では、顧客の潜在ニーズを掘り起こすためにはどうしたらいいか?
それは「~だったらいいな」という小さな好奇心に耳を傾け、そのための小さな一歩を積み重ねることだと私は思います。
その一歩は、例えば、発想したことを友人に話してみるとか、それを実現できそうな人に会ってみるとか、その分野の第一人者のセミナーにいってみるとか、何かしらタネをまくのです。
タネをまかなければ、花は咲きません。小さな行動を取り続けることこそ、遠くへいく唯一の方法なのです。
さあ、小さな行動を起こしましょう!
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今回は、前編に続いてタリーズコーヒーの創業者である松田公太さんの講演で聞いた話の後編です。
やれることは全部やる
無事、資金調達ができ、1号店をオープンしましたが、実は、まったく順調ではありませんでした。オープンしたもののお客はまばら…。
立地は文句なしですが、間口が2間(約3.6m)ほどしか無く、客席は地下一階にあり、お客が入っている様子が外からは全くわからない構造になっていたからです。
もし、あなたが客だったとしたら、どんなカフェに入りたいですか?
ガラガラすぎるカフェは意外と入りづらいですよね。実際には、適度に混んでいるお店の方が、何となく人気がありそうで、安心して入りやすいのではないでしょうか?
その点、タリーズの1号店は、1階がレジのみで客席が地下にあるため、混み具合が全くわからない状態だったのです。
結果、オープン初月は採算ラインを大きく下回る400万円しか売り上げられなかったそうです。これでは借金返済はおろか人件費の捻出もままなりません。
「これはまずい!」松田さんは考えました。
まず店の前で毎日チラシ配りを行いつつ、店舗への誘導をしていきました。
さらに、違法でしたが店の前の歩道にテーブルを置き、そこに従業員を休憩の度にサクラとして順番に座らせ、「ここのコーヒー美味しぃ~」と通行人に聞こえるようにいわせていたそうです。(笑)
警察官に注意されるとテーブルを引っ込め、ほとぼりがさめると、またテーブルを出して、サクラを演出していきました。
次に、遠くからも店舗が目立つよう、店前にはユラユラ揺れる看板をつけたそうです。
その効果があって、一瞬立ち止まってその看板を見る人が増えていきました。
さらに、松田さんは、自らサクラとなって銀座界隈を徘徊します。
アメリカのタリーズでは、ドリンクをテイクアウトして飲みながら街を歩くのが一般的でした。
しかし、当時の日本では、ドリンクを持って街を歩くというスタイルは定着していません。
そこで、松田さんは、白やピンクだったストローの色を「緑」にして目立つようにしました。
仲間からは「気持ち悪い」「どぎつい」と不評だったといいますが、これが大当たり。緑のストローをドリンクに差して銀座の歩行者天国を歩くと、かなり効果があり、目立ったそうです。
今では、スターバックスも緑のストローを使っていますね。
緑のストローを流行らせたのは、実は松田さんのタリーズだったのです。まさに「打つ手は無限」です。
このような、地道でかつゲリラ的なプロモーションが功を奏し、半年後、店の売上げは700万円になり、採算ベースを上回るようになっていきました。
いかがでしょうか?松田さんのように、可能性のあることは何でも試してみる、ということはとても大切です。
空室対策も同じ。
「この方法は効果がないよ」と実行する前からあきらめていませんか?空室で困っている大家さんは、いままで見聞きした空室対策法を全部試してみましたか?
結果が出ない人の特徴は、行動量が圧倒的に少ないこと。「できることは全部やる!」これが成功の秘訣です。
~タリーズの教えその5~
できることは全部やってみる!
できた状況を思い浮かべつつ、ほくそ笑む
こうしてタリーズ1号店は軌道に乗り出しました。軌道に乗ってしばらく経ち、いよいよ2号店を出すことになります。
銀座1号店は地下の客席で苦労したため、今度は外から客席が見える店舗を探します。
しばらく探すと、オフィス街の物件がでてきました。
オフィス街は、平日昼間、そして土日の人通りが極端に少ない立地。うまくいくかどうかはわかりません。
しかし松田さんは、ビジネスマンが多い立地であれば、スペシャリティーコーヒーは必ず売れるだろうと考え、出店に踏み切ることにしました。
2号店は1、2階が店舗で、通りから見える2階に客席があります。場所は神谷町でした。
結果、これまたバカ当たり。いきなり月1000万円を超える売上げをたたき出すことになるのです。
この立地は外資系企業が多く、スペシャリティーコーヒーになじみのある外国人ビジネスマンが殺到したのでした。
しかし、1つ誤算がありました。
それは2階の客席が常にガラガラだったこと。なぜなら、8割のお客様がテイクアウトだったからです。
ここで松田さんはピンときます。「オフィス街はテイクアウトの需要がある」と。
しかし、新規出店には多額のコストがかかります。同じ時期に、サザビーが資本を入れて日本上陸を果たしたスターバックスも、急速な店舗展開を仕掛けていましたが、ベンチャーなタリーズは、彼らのような大資本に対抗できるほどの体力はありません。
では、そんなスターバックスに勝つためにはどうしたらいいか?
「オフィス街」に出店し、「イニシャルコスト」をかけず、「ランニングコスト」もかけなければ、スターバックスに勝てるかもしれない・・・。しかし、そんなことはできるのか?
松田さんは必死に考えた末、あることを思いつきます。
「オフィス1階のロビースペースを少し間借りできないか?」と。いわゆる軒先ビジネスです。
一般的な大企業のオフィスのロビーは、ただ広いだけで、非常に非効率な使われ方をしていますね。その一角を間借りしてテイクアウト専門にすれば、イニシャルコストもランニングコストもかけずに、一気に店舗展開ができます。
松田さんは、アメリカで、オフィスのロビーにコーヒースタンドなどがあるのは一般的だということを知っていたので、これを日本でも展開できるのでは?と考えたわけです。
早速、当時、資本関係になっていた三井物産の本社に出店交渉をします。
ところが、「オフィスで無料のコーヒーが飲めるのに、300円以上もするコーヒーなど売れるはずがない!」と役員会では大反対だったそうです。
しかし、当時の松田さんが懇意にしていた常務が「自分が全責任を負う」という一言で役員会の反対を押しきり、1階ロビーへの出店が許可されることになりました。
さて、出店されるや否や、このテイクアウト専門店が大当たり。昼時になると社員の長蛇の列ができたといいます。
その後、タリーズは、大手自動車メーカーの本社、大学、病院、役所などの軒先にも次々に出店。オフィスロビーへの出店が勢いにのり、急成長していくことになったのです。
~タリーズの教えその6~
「もし、~としたら」とできた状況を思い浮かべつつ、ほくそ笑む!
顧客のニーズに合わせるのではなく、潜在ニーズを掘り起こす!
「お客は本当に欲しいものをわかっていない」誰がいっていたか忘れましたが、こんな言葉があります。
実は、顧客は自分が欲しい物をわかっていないのです。顧客のニーズに合わせるのではなく、顧客の潜在ニーズを掘り起こす事こそが、圧倒的な競争力を持つための秘訣です。
では、顧客の潜在ニーズを掘り起こすためにはどうしたらいいか?
それは「~だったらいいな」という小さな好奇心に耳を傾け、そのための小さな一歩を積み重ねることだと私は思います。
その一歩は、例えば、発想したことを友人に話してみるとか、それを実現できそうな人に会ってみるとか、その分野の第一人者のセミナーにいってみるとか、何かしらタネをまくのです。
タネをまかなければ、花は咲きません。小さな行動を取り続けることこそ、遠くへいく唯一の方法なのです。
さあ、小さな行動を起こしましょう!
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