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出口を制するものは不動産を制する

公開日: 2023年06月26日

こんにちは!YouTuber ウラケン不動産です。

不動産投資のメリットのひとつは、レバレッジをきかせられること。

つまり、ローンを活用することで、少ない自己資金で、大きな投資ができるということです。

現物資産である不動産は、株などの紙の資産とは違い、価値がゼロになることはありません。

そのため、ミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われます。

 

本当の資産になるまでには、あらゆる試練がある

しかし、自己資金が1割程度のハイレバレッジな不動産投資は、物件を購入しただけではその物件を維持し続けることはできません。

なぜなら、そのハイレバ不動産が、あなたにお金を生み続ける本当の資産になるまでには、あらゆる試練をクリアしなければならないからです。

例えば、すべての投資家が大家さんになった時に直面する問題が「空室」です。

すでに日本は人口が減少し始めているにも関わらず、アパマンの新築は増え続けていますので、広告費や修繕費などのリーシングコストは、さらにかさむようになります。

そのうえ、空室対策のために家賃を下げれば、入居者の属性も低下しますので、滞納やマナー違反等のトラブルはますます増えるでしょう。

また、不動産特有のデッドクロスは、ローンを利用して購入する投資家のほとんどに起こりますので、そのままでは将来必ず財務を悪化させます。

不動産投資は物件を買えたら成功ではなく、その後何年もかけて幾多の苦難を乗り越えなければ、本物の資産にはなり得ないのです。

私は、今まで数多くのコンサルティングをしてきましたが、買うときに出口のことを考えて物件を購入している投資家は、実はほとんどいません。

買うときに出口を考えて買うことは、とても重要です。

なぜなら、買っただけではレバレッジのかかった不動産から果実(収益)を得続けることはできず、出口戦略を持たなければ、逆に血(資産)を吸い取られてしまうことになるからです。

 

あなたがとるべき3つの出口戦略

では、具体的な出口戦略にはどのようなものがあるのでしょうか?

まず、出口戦略というと、「売却」をイメージする方が多いでしょう。

しかし、「せっかく将来の私的年金づくりのために物件を購入したのに、売ることなんて考えられない」という方は多いと思います。

私がいう出口戦略とは、単に「売却」だけを意味しているのではありません。

基本的に出口戦略には3つの方法があります。

 

1.一旦売却して資産を組み替える


まずは「売却」です。

売却のタイミングは、デッドクロスを迎えた時です。

デッドクロスとは、財布に残っているお金よりも申告所得の方が多くなってしまう状態をいい、例えば、デッドクロス以降は、100万円しかないのに申告所得は200万円、というようなことが起こります。

これは、実際にお金は出ていかないが、経費になる減価償却費の額を、実際にお金はでていくが、経費にならない元金返済額が上回った時に起こる現象です。

デッドクロス以降は所得の圧縮効果はなくなりますので、運営を続ければ続けるほど、財務を圧迫することになってしまいます。

したがって、デッドクロスのタイミングで一旦物件を売却し利益を確定させることは、非常に有効な戦略となるわけです。

その売却益を使い、今度は自己資金をある程度投入し、自己資本比率の高い不動産投資を実現させるわけです。

 

2.繰り上げ返済をする


もう一つの方法は、繰り上げ返済をすることです。

自己資本比率が50%程度になるまで、とにかく家賃に手を付けず、どんどん繰り上げ返済をしていきます。

こうすれば、デッドクロスが起きる時期は先に延びますし、仮にデッドクロスが起きたとしても、経費にならない元金返済額は少なくなっているので、その影響を少なくすることができます。

 

3.買い続け、タイミングよく売り、そして繰り上げ返済


デッドクロスは、減価償却額が少なくなることによって起こります。

しかし、逆に減価償却費の減少を補う以上の償却資産(アパマン)をどんどん買っていけば、全資産トータルとしてデッドクロスを回避することができます。

メガ大家さんになるパターンがこれですね。

ところが、これはデッドクロスを先延ばしにしているだけなので、結局、新しく買った物件の家賃を、古い物件の繰り上げ返済にあてることによって、古い物件のデッドクロスを解消していくようにするわけです。

また、実際にメガ投資戦略を実践している大家さんは、適宜、物件を売却し、それを原資にして新たな物件を買ったりしています。

これは、売却、繰り上げ返済、買い増しの3つの手法を組み合わせたハイブリッドな投資戦略になりますので、極めて卓越した資産管理能力と、膨大な借金にもひるまない図太い精神力が求められるのはいうまでもありません。

 

なぜ売り物件のほとんどが築15年以上なのか?

ローンを使って投資をする場合、ほとんどのケースでデッドクロスが起こりますから、購入するときに将来の出口戦略を描いておくことは、とても重要です。

基本的に、中古のアパマンは、築15年以上経過したものが売りに出されている場合がほとんどだという事実をご存知でしょうか?

なぜ売り物件の多くが築15年以上なのか?

それは、新築後、多くの物件が12~15年程度でデッドクロス(黒字倒産状態)に陥るからです。

新築後、建物価格の約3割を占める設備の減価償却(法定耐用年数15年)が15年で終わるため、デッドクロス(黒字倒産状態)を招くのです。

築15年程度で、大家さんの財務状況を急速に悪化させてしまう最大の理由がここにあります。

こうして、自ずと売りに出されている物件の築年数は、15年以上のものが多くなるわけです。

 

中古物件の多くが4年目にデッドクロスを迎える理由

一方、築15年以上の中古物件を購入した場合は、約4年程度でデッドクロスになってしまうケースがほとんどです。

なぜなら、3年で設備の減価償却が終わってしまうからです。

築15年以上で、設備部分の法定耐用年数を過ぎた中古物件を購入しても、新たに3年間の減価償却期間が与えられます。

法定耐用年数をすでに過ぎているものについては、「法定耐用年数×20%」の年数をかけて減価償却ができるように税法で規定されているわけですね。

ちなみに、法定耐用年数の一部を経過している場合の計算式は、「(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%」となります。

このように、築15年以上の中古物件を購入する場合は、購入後3~5年程度で、売却、繰り上げ返済、買い増し等の戦略を考える必要がある、ということになるわけです。

つまり、このような物件を買う時は「3~4年後にいくらで売れそうか?」を予測して購入する必要があるということです。

後は、できるだけ高く売却できるよう稼働率をあげ、マーケットを注視し続けることが、資産を増やしていくための重要ポイントになるわけです。

しかし、稼働率が高く、タイミングさえよければ、必ず高く売れるわけではありません。

物件は、仲介業者を介して売買することになります。

実は、この業者の選定によっても、売買価格は大きく変わってきてしまうのです。

アパマンをできるだけ高く売却する、仲介業者攻略法については、以前のブログでお伝えしていますので、ぜひご覧ください。

というわけで、今回は「出口戦略」についてお伝えしました。


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